「銀河鉄道の夜」読書感想

銀河鉄道の世界ってもしかして

もしかして、皆の願いが叶ってしまうのが、銀河鉄道の世界なのか。
ジョバンニが最も大きい夢を持っていたから、ジョバンニが最も生きたがっていたから、どこまでも行ける切符を手にしていたのか。
ジョバンニはどこまでも行くことを願っていた。カンパネラとどこまでも行きたかったし生きたかった。
それが叶わなくなってしまった。
ジョバンニは鳥捕りを消してしまい、罪悪感を覚える。
沈没船に乗っていた家族は、サソリをイメージしてサソリを出現させる。
彼等はサザンクロス駅で降りる事を最初から決めていた。選んでいた。
そこまでしか行くつもりがなかったから。あきらめていた。決めつけていた。
ジョバンニは傷ついていたから電車に乗ったのか。いじめられていたから?
それともカンパネルラに呼ばれたのか?
カンパネルラはジョバンニを連れて行かないようにあえて無視していた。
自分が、宇宙の穴に、現実の川に吸い込まれるのがわかっていたから、無視していた。
銀河にはぽっかり穴が空いて、カンパネルラは落ちていった。

現実の世界ってもしかして

現実に戻ったとき、ジョバンニの前に立つ男が言った。
1500年前の地図には水素も酸素もなかったと。火や水が素だと思われていたと。
しかしこれは嘘ではない。まだ明らかになっていなかったのだ。今の時代の地図も正しいとは限らない。
後になったら変わる。後から見たらおかしなことを言っているかもしれない。
その変化は今、訪れる。
カンパネルラには本当に会えないのか。今は会えないだけで、今悲しいだけで、その今はすぐ過去になる。
正しい方法を見つけると、幸せが見つけられるよ。現実を今起きたことだけにしてはいけない。
これから起こることもまた現実だ。今後も生まれ続ける。
探し続けよう本当の幸せを。
皆が幸せになる方法を。
それは誰も忘れてはいけない。大切なことだと。

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