個性的な登場人物
線は僕を描くに似ているような・・・
書道家って似たような人が多いのかしら?
文字で表現できるような人は、大胆な振る舞いをする人が多い?
美術家や書道家のイメージとして、寡黙なイメージをもっているのはむしろ私の方かもしれない。
どんな作家がいても良いか。
あらすじ
本書は主人公のホテルマンの視点で物語が進む。準主人公として登場するのが書道家である。
二人の会話のキャッチボールが面白く、読者が引き込まれる。
主人公が初対面の書道家に対して肘突きのツッコミを入れているシーンは、読者である私も「初対面の人に肘突きを食らわせるんじゃないよ」とつい突っ込んでしまった。
書道家は子どもたちに書道を教えているのだ、この子どもたちもまた個性的で面白い。
石拾いが好きな二人の小学生が、クラスメイトの悪ふざけをあっさり遠ざけるという何とも頼もしい小学生なのだ。
冒頭の伏線も後半でしっかり回収され、そういうことだたのかと納得感があって良かった。
AudibleOriginal作品
本書はAudbileOriginalというタイプの小説。Audibleで読まれることを前提に書かれた本である。
それ故に、耳で理解しやすいような工夫が感じられた。雨に濡れた体がどれだけ濡れているかを丁寧に表現されていたり、物語の合間に猫が登場して聞いているものを和ませてくれた。
電話でのやりとりがしばしば登場するのも聞きやすいように配慮されていたのかもしれない。
本作中には銀河鉄道の夜が登場するため、事前に銀河鉄道の夜を読んでおくのも良いかもしれない。
今回も楽しませてもらいました。ありがとうございました。

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