重たいストーリー
湊かなえさん、なんて人なんだ。どうしてこんな話がかけるんだろう。
重苦しく、沈みそうな感じがする。
先生（大人）と生徒（子供）の葛藤といったものなのだろうか。
確かに年齢など関係ない。どちらも同じ人間で、どちらも必死に生きている。
生を大切にしない者が、生の尊さに気付き、生を教えるようになり、生を壊す。
すべての生物は、生きるために破壊することをやめられない。
お互いに他人を傷つけ合って、お互いボロボロになっても、それでも生き続ける。
他人への思いやりとは正反対な気持ち。
ストーリーの考察
わかりやすいように死が中心の物語だったけど、もしかして死ななくても成り立つ話だった？
いじめる人といじめられる人、利用する人と利用される人、
自分勝手な人と従順な人、周りに気を使いすぎる人と自分しか見えない人。
どの人も精一杯生きていて、正しい判断ができる人なんてどこにもいない。
人が殺されるような世界で、誰が正しいのか、正しい人なんて存在するのか、誰が悪いのか。
この本に登場する人物を責められる人がいるだろうか。
きっと誰も責めることができない。
現実ではどうか
現実で人殺しが起きた時には、あなたは殺人者を責めていませんか？
自分とは関係のない人間に対してまで憎しみを抱いていませんか？
殺人に至るまでの経緯を知らない私たちは、結果だけを見て勝手に判断していませんか？
殺人罪でないにしても、必要以上に怒りを抱いていませんか？
自分が嫌なことをされたときに、やり返したいとは思ってませんか？
最も効果的な復讐を果たしたとして、あなたは報われますか？
相手と同列の立場に立って、大人と子供が同じ目線で争って、あなたは満足できますか？
私は告白します。殺したいと思っているということを。
さあ皆さんも告白してください。後に続く者たちは簡単です。
さあどうぞ心のうちを明かしてください。
そして気づいてください。
それはとてつもなく惨めで、無意味だということを。
ありがとうございました。
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