見事なラスト
衝撃のラストとはまさにこのこと。様々な疑念が一気に晴れる。大変気持ちの良い作品でした。
制限時間は6時間、あらすじの通り冒頭から大地震に見舞われる地下都市。
救出するために主人公率いるドローンチームが手をつくす。
本を読み進めるにつれて、制限時間が迫る。続きが気になってどんどん読み進めてしまう。
TV番組の1カ月一万円生活や逃走中のような番組の開始から終了までが時間で区切られているような作品だった。
山あ谷ありの障害が読者の感情を揺さぶる。読みやすく出わかりやすい。
主人公のメッセージ
「自分で限界を決めてしまったら、そこが限界だ」主人公がこのセリフを言った時に、クラスの幼馴染が嫌な顔をする。
そんなの綺麗ごとだと、誰にだって限界はあるのに、それをあきらめるみたいに言わないでと。
しかし、それは主人公が諦めるなと言っていることに対する忠告だったようだ。
限界はある、それをどう対処するかってことを考えよう、そういう意味だった。
クラスメイトが不自然な登場の仕方をするなと思っていたら、この考え方を導かせるためだったようだ。
アリアドネとは
アリアドネと聞いて、TVドラマチームバチスタを思い出した。
連続医療ドラマでこの時もAIみたいな技術が人をだます、そんな展開だった。
今回のアリアドネの声も、一筋の光として読者を導く役割を担っていた。
アリアドネとは、マルタ島に関係するらしい。
村上春樹のねじまき鳥クロニクルに登場するマルタとクレタは、アリアドネの糸(導く人)から連想したのかもしれない。
それはちょっと考えすぎだろうか。
面白い作品を読ませていただいてありがとうございました。

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